| 後手をひく |
昼下がり、いそいそと図書館へ赴き、 「小説新潮」の連載「隠蔽捜査3」を読もうとしたら、 もう7月号が棚に並んでいた… 無論、月遅れは早々に借り出されて手の出しようがありません。
仕方なく手にした七月号でしたが、 山本周五郎記念特集で、 失念を補って余りある収穫! 連載二回目は無論読んだのですが、 受賞第一作も掲載され、 これが今の連載とリンクした作品で、なかなかのサービス♪ そして、今野敏さんのロングインタビューで頷くことしばしばでした。 樋口、安積ファン必読ではないでしょうか?
特集で並ぶ伊坂孝太郎さん、気になりますが、 手を出す余裕が無く、いつかの機会を待ちます。
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| 傾斜していく読書 |
予約が続いて入っているマキューアンの「贖罪」、 ようよう再会できて、リターンマッチです。 なかなか読み進めなかった第一部とは打って変わり、 第二部からはぐいぐい引っ張られます。 あのダンケルクの撤退のこのような場面をこんな所で知ろう、 とは夢にも思いませんでした。 そして、幼い過ちを許す事の難しさ、 更に、自らの過失を贖う困難さが、見事に托し込まれて、 アッと声を上げる。 いろいろ作品としての企みが籠められて唖然とさせられたこと、 二度三度ではありませんでした。 そうして最終章の年月の重みを湛えた感慨は、 これ、映画じゃ無理でしょう! 読み終え、一日余、次の本に手が出ませんでした。
今は、「贖罪」ショックから立ち直り、 次に予約で手に入った「タンゴステップ」を読み進めております。 というわけで、マルティン・ベックさんらは、 ちょっとお休みと相成っています。
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| 好きな小説の中から二つ |
藤沢周平さんの短編小説の中に好きなものが幾つかあり、 その一つが、「山桜」。
これが、映画化されて、来月には、地元のミニシアターで見られます。 でも、いま一つ見たい気が起こらない。 自分の中でこの短編小説が、結構大きく重要なものになっている所為だろう、 と思います。
キャスティングからして大きくイメージが違っているし…
何度か読んでいるので、 年代に応じて感じ方が異なってきています。
若い頃は、過剰に共感して、自分も道を誤ったか、 と思ったものですが、 この頃は、さまで決め付けなくとも、 これはこれで良かったのだ、と思えるようこれから努力せねばならない、 と思うようになってきています。
この短編を書かれた藤沢さんよりもう歳を越しているのですが、 それでも、繰り返し読めるほどに周到に書かれてあるのに気づき、 今回もあらためて、藤沢さんに惚れ直しました。
今野敏さんの「隠蔽捜査」シリーズの最新が、 週刊新潮で連載されていることを、 つい先ほど、某ブログで知り得ました。 今度図書館へ行くついでがあったら、 是非に読もうと思います。 今野敏さんの作品中好きなシリーズ物の一つです。
あっ、そう言えば、拙HPへ来られている方のお一人がこのシリーズを読んでいる最中。 他のシリーズも読むだろうか? そんな関心も密かにあって、固唾を呑んで見守っています。 なにせ読む本、読む対象がむちゃくちゃ広いのでお勧めするには、ためらいます。
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| この本あの本 |
岩波文庫で「近代日本文学案内」が出て、 その著者が十川信介さん。 この類の本は、その道の第一人者か大家に拠るのが相場なので、 十川さんもこういうものを書かれるようになられたのだ、と思い、 借りてみました。 私が学生だった1970年代の始めの頃、 当時二葉亭四迷論と言えば、中村光夫さんのそれのみが屹立していました。 そこへ表れた新しい二葉亭四迷論を書かれたのが十川さんのそれで、 ちょっとした話題になっていたように思われ、 日本近代文学史の新進の気鋭として、記憶に残っています。
この本を手にすべく、久々に岩波文庫の書棚の前に立ったのですが、 捜しているうちに、正宗白鳥の「新編 作家論」が目に止まり、驚きました。 へぇー、こんなんが岩波文庫に… 日本近代文学に関心深かりし大学生の頃、 全く分けが分からないまま、惹かれたのが白鳥の作家論で、 大学の図書館にあった古い「文壇人物評論」、一気に読みました。
後年福武書店から全集が出まして、 そこで、 他の「自然主義盛衰史」「文壇五十年」等を読むことが出来、 大変喜んだことも本読みとしての懐かしい思い出の一つとなっています。 ボンヤリ読むとつまらぬ事をつまらないとだけしか書いていないようですが、 なかなかどうして、いろいろ教えられ感じさせられるところの多い評論でした。 今度の岩波文庫の解説を、この歳で読むと、 どうして自分が惹かれたのか、少し分かるような気がしました。 私が他にも好きだった作家文章書きとして、 広津和郎や吉田健一といった年寄りのものが多い、 というところに通ずるものがあります。 文章を通していろいろ学ばせていただいたのです。
図書館の書棚を見渡していて、 思わずオッ!と声に出し、 電光石火の早業で引き出し手にしたのが、 「トールキンのガウン」。 これは、是非手にしてみたかった本で、 小躍りしたくなる。
それから、「ミステリーの名書き出し100選」を何気に手にしました。 こういうベストものとか、初心者向けだったり、マニアックなものも、 敬遠する嫌いがややあるものの、そう毛嫌いするほどでもなく… 和田誠さんの表紙! 「ちょっといいかも?」と思いつつ開いたところが、 イアン・フレミング著「007/ゴールドフィンガー」松坂健評 のページで、見開き二ページに渡り、吉田健一さんのことが書いてある。 もう、それだけで、即、借り出し決定でした。 家で寝転がって目次を見ると、相好が崩れていく。 「いい本だなぁ〜」
いい本と言えば、「蝶々は誰からの手紙」もそう。 大学生の頃せっせと読んでいた週刊朝日の書評、 その流れを汲んで今の毎日新聞の書評がある、 と著者の丸谷才一さんは書かれていて、 その件を読み、そうかそうだったんだ!と深く納得しました。 「週刊図書館40年」が今でも開架書棚に並んでいてうれしい私です。 刊行された時だけ読まれて消え去る書評ではなく、 後々に残る、刊行時の息吹を伝える書評こそが、一番。 そう私は思うのです。
アッという間に時間が経って、 勤め人の悲しさ、明日からの仕事に備え、 打ち切らざるを得ません。 本日はこれにて、失礼します。
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| シリーズ後半進行中 |
マルティン・ベック・シリーズ、 「サボイ・ホテルの殺人」まで読み終えました。
この前の「消えた消防車」までは文庫本で読めたのですが、 ここからは単行本になります。 まだまだ興味深く読み続けられるのに、 我ながら驚いています。 シリーズものをこれほど続々と読み続けられるのは、久々なことで、 本読みとしてはありがたい。 しかし、福祉国家と言われながら、段々に気の滅入る方向に向かって、 読むのがつらくもあります。
残すは後、四冊… このまま、残りを一気に読もうか それとも、ようよう帰ってきた「贖罪」へリターンマッチを挑もうか…
家族との折り合いをつけながら過ごす毎日、 さて、どうなりますやら?
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| ラフに |
本来なら、市図&県図の借り出しカウンターのアップでもするところですが、 それさえなかなかお億劫というか手間に感じられるようになったので、 これは休みとします。
代わりに本に関わる小話を、気楽に書いてみようと思います。 引き続き、宜しく。
「週刊文春」5/29号に次の本が紹介されていました。
「人類が消えた世界」 アラン・ワイズマン著
この紹介文を読み出して、すぐ映画「アイ・アム・レジェンド」を思い出しました。 この映画を見ている最中は、その前に原作を読んでいたので、 いろいろ突っ込み所があってそれなりに楽しんだのですが、 この本は、その突込みをある意味真っ当に真面目にしたものと言えます。
短期的に我々の日々の暮らしがどういう努力で維持されているのかが分かって興味深い。 そして、長期的には、人類の環境汚染がある時点で断ち切られた後のシュミレーションで、 それも興味深そうです。 いろいろ考えさせられそうな本です。 人類が地球にもたらしたもの、そういう視点は大事だと思います。 人類が生き延びる為という視点とは違ったものが浮き上がるでしょう。
本の紹介では有りませんが読み物という事で、一言。 週刊文春の連載で、 「仕事のはなし」という読み物は普段と違った切り口で、 なかなか興味深い読み物です。 紹介の号では、内科医本田美和子によるHIV患者に対する薬の費用の話で、 驚かされました。 他にもどなたかの話を読んで、これは、ちょっと暫く注目してみようかな、 と思います。
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