| 寄り道 |
今野 敏さんの「乱雲 隠蔽捜査3」を読むべく、 図書館で小説新潮を手にすると、 医療小説最前線の特集が掲載されていました。
このジャンル殆ど読んでいませんが、 映像ドラマでは馴染みがある。
【ブックガイド】東えりか/戦後の医療小説30選 ――医学の進歩と社会問題を深く理解できる医療小説を厳選紹介 を読んでいると、 さまざまな小説が紹介され、いろいろ読んでみたくなる。 特に最後のほうで紹介されてある作品などは、 今はもう話題にもならず図書館に置き去りになっているでしょう。 仙川環「繁殖」 南木佳士「医学生」 松樹剛史「スポーツドクター」 榊邦彦「100万分の1の恋人」等など。
今現在、このジャンルを牽引しているのは、海堂 尊さんでしょう。 どれか一作でも棚に残っていないかな? という期待は、大きく裏切られ、いずれの著作も、 まだまだ当分は予約待ち状態が続きそうです。
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| 読書欲が減退しそうな猛暑だけれど… |
「フロスト気質(かたぎ)」の案内が、東京創元社のサイトにアップされていました。 http://www.tsogen.co.jp/wadai/0807_04.html 上下二巻で各1100円余… 「過去最大のボリュームを誇る本書」と書いてありますねぇ〜
もうこの夏の読書予定は、ここまでで一杯です。 まず、「ハリーポッターと死の秘宝」を皮切りに、 平野 啓一郎著「決壊」を経、 この「フロスト気質」が本筋で、目一杯かかるやも知れません。
予定は、以上ですが、 実は前からの予定がずれ込んであります。
マルティン・ベックものが後一冊残っているが、これは無期延長するしかないでしょう。
その他に、ヒラリー・ウォーのフェローズ署長シリーズ。 これは、現在創元社で刊行されていて手に入る三冊はもうすでに読み終えました。 後、既にハヤカワミステリブックで既刊の三冊を予約してしまった。 多分他の町から取り寄せになると思われ、 上の本命三冊が終わらない内に手に入ると正直つらい。
そして、「誘拐捜査 吉展ちゃん事件」中郡英男著に興味持ち、 これも予約してしまっている…
更に、現在放送中のテレビドラマ「コードブルー」の影響で「フライトナース」に興味を持ってしまっている。
この暑さを何とかして乗り切らなくっちゃ、 というより、 この暑さをものともせず、軽やかに疾走せねばならない、 という感じですね。 ああ、シンド…
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| 後手をひく |
昼下がり、いそいそと図書館へ赴き、 「小説新潮」の連載「隠蔽捜査3」を読もうとしたら、 もう7月号が棚に並んでいた… 無論、月遅れは早々に借り出されて手の出しようがありません。
仕方なく手にした七月号でしたが、 山本周五郎記念特集で、 失念を補って余りある収穫! 連載二回目は無論読んだのですが、 受賞第一作も掲載され、 これが今の連載とリンクした作品で、なかなかのサービス♪ そして、今野敏さんのロングインタビューで頷くことしばしばでした。 樋口、安積ファン必読ではないでしょうか?
特集で並ぶ伊坂孝太郎さん、気になりますが、 手を出す余裕が無く、いつかの機会を待ちます。
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| 傾斜していく読書 |
予約が続いて入っているマキューアンの「贖罪」、 ようよう再会できて、リターンマッチです。 なかなか読み進めなかった第一部とは打って変わり、 第二部からはぐいぐい引っ張られます。 あのダンケルクの撤退のこのような場面をこんな所で知ろう、 とは夢にも思いませんでした。 そして、幼い過ちを許す事の難しさ、 更に、自らの過失を贖う困難さが、見事に托し込まれて、 アッと声を上げる。 いろいろ作品としての企みが籠められて唖然とさせられたこと、 二度三度ではありませんでした。 そうして最終章の年月の重みを湛えた感慨は、 これ、映画じゃ無理でしょう! 読み終え、一日余、次の本に手が出ませんでした。
今は、「贖罪」ショックから立ち直り、 次に予約で手に入った「タンゴステップ」を読み進めております。 というわけで、マルティン・ベックさんらは、 ちょっとお休みと相成っています。
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| 好きな小説の中から二つ |
藤沢周平さんの短編小説の中に好きなものが幾つかあり、 その一つが、「山桜」。
これが、映画化されて、来月には、地元のミニシアターで見られます。 でも、いま一つ見たい気が起こらない。 自分の中でこの短編小説が、結構大きく重要なものになっている所為だろう、 と思います。
キャスティングからして大きくイメージが違っているし…
何度か読んでいるので、 年代に応じて感じ方が異なってきています。
若い頃は、過剰に共感して、自分も道を誤ったか、 と思ったものですが、 この頃は、さまで決め付けなくとも、 これはこれで良かったのだ、と思えるようこれから努力せねばならない、 と思うようになってきています。
この短編を書かれた藤沢さんよりもう歳を越しているのですが、 それでも、繰り返し読めるほどに周到に書かれてあるのに気づき、 今回もあらためて、藤沢さんに惚れ直しました。
今野敏さんの「隠蔽捜査」シリーズの最新が、 週刊新潮で連載されていることを、 つい先ほど、某ブログで知り得ました。 今度図書館へ行くついでがあったら、 是非に読もうと思います。 今野敏さんの作品中好きなシリーズ物の一つです。
あっ、そう言えば、拙HPへ来られている方のお一人がこのシリーズを読んでいる最中。 他のシリーズも読むだろうか? そんな関心も密かにあって、固唾を呑んで見守っています。 なにせ読む本、読む対象がむちゃくちゃ広いのでお勧めするには、ためらいます。
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| この本あの本 |
岩波文庫で「近代日本文学案内」が出て、 その著者が十川信介さん。 この類の本は、その道の第一人者か大家に拠るのが相場なので、 十川さんもこういうものを書かれるようになられたのだ、と思い、 借りてみました。 私が学生だった1970年代の始めの頃、 当時二葉亭四迷論と言えば、中村光夫さんのそれのみが屹立していました。 そこへ表れた新しい二葉亭四迷論を書かれたのが十川さんのそれで、 ちょっとした話題になっていたように思われ、 日本近代文学史の新進の気鋭として、記憶に残っています。
この本を手にすべく、久々に岩波文庫の書棚の前に立ったのですが、 捜しているうちに、正宗白鳥の「新編 作家論」が目に止まり、驚きました。 へぇー、こんなんが岩波文庫に… 日本近代文学に関心深かりし大学生の頃、 全く分けが分からないまま、惹かれたのが白鳥の作家論で、 大学の図書館にあった古い「文壇人物評論」、一気に読みました。
後年福武書店から全集が出まして、 そこで、 他の「自然主義盛衰史」「文壇五十年」等を読むことが出来、 大変喜んだことも本読みとしての懐かしい思い出の一つとなっています。 ボンヤリ読むとつまらぬ事をつまらないとだけしか書いていないようですが、 なかなかどうして、いろいろ教えられ感じさせられるところの多い評論でした。 今度の岩波文庫の解説を、この歳で読むと、 どうして自分が惹かれたのか、少し分かるような気がしました。 私が他にも好きだった作家文章書きとして、 広津和郎や吉田健一といった年寄りのものが多い、 というところに通ずるものがあります。 文章を通していろいろ学ばせていただいたのです。
図書館の書棚を見渡していて、 思わずオッ!と声に出し、 電光石火の早業で引き出し手にしたのが、 「トールキンのガウン」。 これは、是非手にしてみたかった本で、 小躍りしたくなる。
それから、「ミステリーの名書き出し100選」を何気に手にしました。 こういうベストものとか、初心者向けだったり、マニアックなものも、 敬遠する嫌いがややあるものの、そう毛嫌いするほどでもなく… 和田誠さんの表紙! 「ちょっといいかも?」と思いつつ開いたところが、 イアン・フレミング著「007/ゴールドフィンガー」松坂健評 のページで、見開き二ページに渡り、吉田健一さんのことが書いてある。 もう、それだけで、即、借り出し決定でした。 家で寝転がって目次を見ると、相好が崩れていく。 「いい本だなぁ〜」
いい本と言えば、「蝶々は誰からの手紙」もそう。 大学生の頃せっせと読んでいた週刊朝日の書評、 その流れを汲んで今の毎日新聞の書評がある、 と著者の丸谷才一さんは書かれていて、 その件を読み、そうかそうだったんだ!と深く納得しました。 「週刊図書館40年」が今でも開架書棚に並んでいてうれしい私です。 刊行された時だけ読まれて消え去る書評ではなく、 後々に残る、刊行時の息吹を伝える書評こそが、一番。 そう私は思うのです。
アッという間に時間が経って、 勤め人の悲しさ、明日からの仕事に備え、 打ち切らざるを得ません。 本日はこれにて、失礼します。
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| シリーズ後半進行中 |
マルティン・ベック・シリーズ、 「サボイ・ホテルの殺人」まで読み終えました。
この前の「消えた消防車」までは文庫本で読めたのですが、 ここからは単行本になります。 まだまだ興味深く読み続けられるのに、 我ながら驚いています。 シリーズものをこれほど続々と読み続けられるのは、久々なことで、 本読みとしてはありがたい。 しかし、福祉国家と言われながら、段々に気の滅入る方向に向かって、 読むのがつらくもあります。
残すは後、四冊… このまま、残りを一気に読もうか それとも、ようよう帰ってきた「贖罪」へリターンマッチを挑もうか…
家族との折り合いをつけながら過ごす毎日、 さて、どうなりますやら?
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| ラフに |
本来なら、市図&県図の借り出しカウンターのアップでもするところですが、 それさえなかなかお億劫というか手間に感じられるようになったので、 これは休みとします。
代わりに本に関わる小話を、気楽に書いてみようと思います。 引き続き、宜しく。
「週刊文春」5/29号に次の本が紹介されていました。
「人類が消えた世界」 アラン・ワイズマン著
この紹介文を読み出して、すぐ映画「アイ・アム・レジェンド」を思い出しました。 この映画を見ている最中は、その前に原作を読んでいたので、 いろいろ突っ込み所があってそれなりに楽しんだのですが、 この本は、その突込みをある意味真っ当に真面目にしたものと言えます。
短期的に我々の日々の暮らしがどういう努力で維持されているのかが分かって興味深い。 そして、長期的には、人類の環境汚染がある時点で断ち切られた後のシュミレーションで、 それも興味深そうです。 いろいろ考えさせられそうな本です。 人類が地球にもたらしたもの、そういう視点は大事だと思います。 人類が生き延びる為という視点とは違ったものが浮き上がるでしょう。
本の紹介では有りませんが読み物という事で、一言。 週刊文春の連載で、 「仕事のはなし」という読み物は普段と違った切り口で、 なかなか興味深い読み物です。 紹介の号では、内科医本田美和子によるHIV患者に対する薬の費用の話で、 驚かされました。 他にもどなたかの話を読んで、これは、ちょっと暫く注目してみようかな、 と思います。
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| 文章が育ててくれた |
先日、ドナルド・キーンさんの「日本文学は世界のかけ橋」を読み終える。 中国の大学で行われた講義を取りまとめたもので、 読みやすいものでした。 読みながら、だんだんに、 もっと読むべきものがあるのだと思い知らされ、 更に、学生の頃何冊かまとめて読んだキーンさんの著書を思い出す。 このやわらかく品のある文章は、読んでいて懐かしい。
懐かしいといえば、拾い読みしている「尊魚堂主人」からも、そんな印象を受けます。 この頃の本としては珍しい布の表紙貼りです! 「スガレ追ひ」の出版時から読み始め、 遡ったり追っかけたりした井伏鱒二さんの文章も好きでした。
こういう風に思い出しながら、 今もキーンさんの「私と20世紀のクロニクル」を読んでいるのですが、 こういう文章が、私の中の何かを育ててくれたのだ、 と思う。 奇をてらわずに、普通に穏やかできちんとした日本語を書いていると、 次第に落ち着いてくる、そんな文章のよさが、 もう今では懐かしい。 そういう文章の奥には、人を敬ったり、 物を大事に扱う気持ちがあるのでしょう。
今を嘆いて、往時を懐かしむのは、年寄りのすることでしょう。 でも、これはただの感傷ではありません。 本当に何かが失われている、という思いは確かにあるのです。 時に流されて、私自らが何かを失ってしまわないよう、 折に触れ、かって自分を育んでくれた文章を再読せねばなるまい、 と思った春の宵です。
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| 荒川洋治さんの「読書で豊かに」 |
荒川洋治さんが、ラジオ深夜便にゲストとして五年近く出演されていたそうですが、 それももう終わったらしい。 http://d.hatena.ne.jp/kurisu2/20080224
とうとう一度も聞くことが出来ませんでした…
県図へ仕事帰りに寄ったら、新着コーナーに、 北村太郎の『光が射してくる』(港の人)があって、 思わず借りて帰りました。
確かに若い人が書いたものとは思えぬ文章です。 そして、今なお読むに耐える内容でもあります。
それとは別に、昔の書評を読む楽しみがあります。 もう今では読まれなくなった本、 今なお読まれている本、 そして、取り上げた本の選択がなかなか興味深い。 ケルーアックの「路上」があって、 おもわず、北村太郎さんを今の時代に引っ張ってきてあげたくなる。
今は、狐(山村 修さん)の書評を4冊手元において、 あちらこちら拾い読みしながら楽しんでいます。
どなたか懇切丁寧な書評史を書いてくださらないだろうか? 書評の書誌データー集も欲しい!
毎日新聞の書評頁を徒に溜めるだけの私には到底出来ないことです。
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