ききみみずきんと本と図書館と…
あなたが今読んでいる本と出会ったところは何処ですか?
バースつながり
ピーター・ラヴゼイによるピーター・ダイヤモンドシリーズを読み終えた後、
ラヴゼイの他の著作を読もうと思いましたが、
どの世界にもスーッと入れず、
どうやら、私はピーター・ダイヤモンドにぞっこんだったようです。
熱を入れすぎた所為か、ちょっと虚脱状態が続き、
この頃、ようよう次の本に読み耽っている次第です。

今読んでいるのは、
オースティンの「説得」
主人公アンが魅力的に描かれているのはいいのですが、
他の家族・親族がちょっと悪過ぎるような…
「高慢と偏見」に次いで好きな作品に出会えて喜び、
読みながら、自他様々な身の回りの結婚をあれこれ思っています。

オースティンの有名な長編小説として、
他に、「分別と多感」「エマ」等がありますが、
「分別と多感」は、映画の印象がいまだに強過ぎて、
それが薄まるのを待ってから読みたいと思う。
「エマ」の方は、映画の印象はそれ程強くなく、
読みかけましたが、いまいちその世界に馴染めなかった…

主人公の魅力が、自分に合わないのかな?

今夜読んでいるところは、ちょうどバースが舞台になっていて、
この同じ場所を100ン年後、ダイヤモンドが歩いているのだと思うと、
ちょっと、ニヤリとせずにはおられない。

ピーター・ダイヤモンドからピーター・ラヴゼイへ
「地下墓地」「最期の声」と読み終える。
残すところ、
「漂う殺人鬼」と「処刑人の秘めごと」
のみになり、順番はこの順である事、
前言訂正します。
「漂う殺人鬼」まで、文庫化されていた♪

いろいろ他の本もチェックはするが、
読むのは、いよいよこのシリーズだけになっている、
この頃です。
だんだんに読書のピッチが上がってきているので
他のシリーズやノンシリーズものなども、
まとめて借り出す。

せっせとひたすら、同シリーズものを読み進むのは、
ある種の快感です。
これまでの、様々なシリーズものを思い出す。
そういえば、マイクルコナリーのボッシュシリーズ、
カヴァーが一新されていました。
あれこれと、追いついたシリーズものもあって、
それらの新刊、新訳を待つのは、ちょっと寂しい。

体調の優れない時、
何かと気ぜわしい時、
つかの間のひと時に、憩いのひと時をもたらしてくれるのは、
こういうシリーズもののようです。
しっかりはまれば、二三ページでも堪能できるし、
時間があれば、どんどん先へ進む事も出来、
時の経つのを忘れる、という充足感が得られます。
ピーター・ダイヤモンド・シリーズ佳境に入る
「暗い迷宮」を読み終えたのが、日曜日の夜。
まずい事に、シリーズ次回作を借りていなかった。
翌月曜日は、どこの図書館も休館日で、火曜日を待たねばならない。
余韻に浸りたい気持ちもあるが、
早く次を読みたい気持ちもそれに劣らない。
なにせ、あのジュリー・ハーグリーブス警部がピーターの元を去ると言うのだから。

このシリーズ、老練なピッチャーの投球をイメージさせてくれる。
第一球、「最後の刑事」
ストライクかボールか分からないきわどいコースをつく。
第二球、「単独捜査」
はっきりボールと分かるフォークボールみたい。
第三球、「バースへの帰還」
低めの真ん中、直球。
第四球、「暗い迷宮」
高めの真ん中、スライダー。
そして、
第五球、「地下墓地」
どんな球だろう?

文庫本で読めるのは、次の、
「最期の声」までで、
その後は、
2008年の夏を挟み、立て続けに出た、
「処刑人の秘めごと」
「漂う殺人鬼」
の単行本二冊で翻訳に追いついてしまう。

そして、その次の最新作は、
今年本国で出たばかりのようで、
翻訳ばかりか、執筆に追いつく有様だ。
この接近振りから、
このシリーズ作品の評判の高さが十分に、窺われる。

この夏まで持ちそうに無い。
やむを得ず、ピーター・ラヴゼイによる、
他の作品を楽しむしかなさそう。
それでも、まだ、ましと言うものだろう。

このシリーズ作、本当に総合的なレベルの高さが他を圧している、
と言っても過言ではない。
これを読んでいる最中、途中止めになっている、
レジナルド・ヒルによるダルジールものの読みづらさ、とっつきにくさが、
思い出される。
エンターテイメント性で、こちらの方に軍配をあげざるを得ない。
近頃の読書
ゴールデンウィーク前にどっさり借りた本を、
先週・今日と図書館へ返す。
もう殆ど読まない日々が続いている。
この連休を挟んで読み続け、読み終えたのは、
今日読み終えた「猟犬クラブ」のみ。
以前はあんなに読めていたのに…、
とは思っても、今省みれば
あの頃無視続けていたものに向き直っているのだから、
そんなに懐かしがっている場合じゃない、か…。

ピーター・ラヴゼイ、なかなかのものです。
今回もガラッと趣向を変え、
同じシリーズものとは思えない珍味な味わい。
それでいて、作品のつながりもしっかりして、
警察署内の人間模様がいっそう展開されて楽しめました。

昨年知った警官シリーズの数々の中においても、
ひけをとらないばかりか、いくつかの点で凌駕している。
しかし、現在も進行している最新のシリーズとなれば、
これまでの同じ傾向の作品を踏まえていて、
それも当然か、と思うのですが、
それをしっかりやってのけるのも、又、すごいのではないだろうか?

キャラクターでもプロットでも、見事ですが、
その目立たない文章もいい、と思う。
毎日、数ページしか読めなくても、
それはそれで楽しめていました。
ワンフィンガーのウイスキーをチビッとなめるだけでも、
満たされる思いに近いものがあります。
次は、「暗い迷宮」
まだ、先は長いので、今年いっぱい楽しめるかもしれません。

読んだ本について語ることがないので、
借りる本について述べてみます。

今は、ネットで気になった本を、
カフェボッサの非公開マイ棚に入れ、
借りたら、公開マイ棚に入れる、
という事をやっています。
「ききみみずきんのポケット」のトップの右下にある、
棚がそうです。
(下のDVD棚は蛇足)
暇な折に笑覧いただけたら幸いです。
ブクログの方は、入れない事が多くて、
中断しました、悪しからず…。
週刊文春4月30日号
海外文学&翻訳に関心ある方には、必見の号でした。

新・家の履歴書 亀山郁夫

自らの来歴を語ってドストエフスキーが出てくる事は予想していたものの、
家族を語ってカラマーゾフが引き合いに出されるなんて、
これは予想だにできませんでした。

仕事のはなし 柴田元幸

この方が東大の先生だという事を、時折忘れます。
そのらしからぬ、軽さと感受性のやわらかさの、
源を少しは知れたかな。

私の読書日記 池澤夏樹

アップダイクによる書評の心得も良かったが、
「回想のブライズヘッド」という新訳の読みについての言及が、
うれしい。
今は亡き前訳者の吉田健一さんのコメントを聞きたいと思う。

紹介が遅れ、もう既に図書館でしか手にできないこと、相すみません。
バースへの帰還
ピーター・ラヴゼイによる、
ダイヤモンド警視シリーズ第三作で、
このシリーズ、
ここで一気にレベルアップしている印象を受けました。
これを読まずして、ラヴセイによるダイヤモンド警視物を語るなかれ。

主人公の性格は、初作から描かれているものの、
ここにきて、はっきりとピントが合ったように、
くっきりしてくる。
ヒルが著わすダルジールによく似ています。
彼ほど同僚に恵まれていませんが、
よき伴侶に恵まれている。

警察内部の人間模様もよく描かれているし、
ミステリーとしても、途中で手持ちのカードをキッチリ出しているので、
最後にきて、アッと言わされました。

シリーズとしての展開も大胆で、
この頃はこういうのが主流になっているのでしょうか?
マイクル・コナリーのボッシュも警察官に戻ったし、
グレッグ・ルッカのアティカスも目をむく展開をしている。
オーソドックスなシリーズものに馴染んだ者には、
到底理解しきれないすう勢でしょう。

久々に、余韻に浸れた読書。
次の本を直ぐに読んだんじゃ、もったいない至福のひと時です。
昨年に続き、今年も警察小説を引き続き読みそうな雰囲気になってきた。
とまれ、このシリーズを外し、
この作品単独でも十分読み応えすると思われるので、
お勧めします。
読者の世代
音楽シーンで、昔の曲について、
あれは、私の青春を代表するものだ、
とよく言われるし、読みもする。
そういう自分も、同様の事を書いたことがある。

読書シーンでも、そういうことは、
確かにある。
坪内祐三さんの「新書百冊」を読んでいると、
その確信は、強まるばかり。

ここで取り上げられている多くの書名著者名は、
私にも、高校大学でなじんだものが、多く、
6才年下の坪内さんが、同世代に思える。
無論、坪内さんの方が、早熟だし、
私よりこの世界へののめり方が甚だしいので、
同列に並ぶべくもないのですが
ところどころ、頷きながら読む。
しかし、又同時に、ここまではっきりと、
書けるほどには十分読み込んでこなんだなぁ〜、
と腰が退けるところもあります。

大学を卒業後の頃辺りからは、
その隔たりがどんどん広がるばかりで、
この辺りに来ると、もう、置いてきぼりの感じで、
苦笑するばかり。

読書ひたすらに邁進してきたからこそ、
今の坪内さんだなぁ〜、と思うばかり。

岩波新書が主流で、
中公新書や講談社現代新書が、勢いよく出だしたあの頃の、
書店の書棚を思い出します。
あの頃まだわずかに残っていた、クセジュ文庫や、
紀伊国屋新書は、いつしか見かけなくなってしまい、
今は、寄る気も失せるほどの洪水状態の新書世界です。

個々の書物について書ければ一番いいのですが、
今は、その根気も、時間もなく、
又の機会にします。

今日、殆ど臥せってはいたものの、
そうそう寝てばかりも居れず、
起きている間、ウェブログの方で、
一つ試みをしました。
今、自分が関心を持っている本と映像作品について、
小さな書棚を設けてみました。
笑覧いただけたら、お互い幸い、という事で…(汗&笑)
翻訳シーンの話題
東大の教室で『赤毛のアン』を読む
という本が、その筋で今一番の話題でしょう。

山本史郎さんのこれまでの訳文については、
賛否両論それぞれかしましく交わされているさまが、
アマゾンの評で窺えます。
「ホビット」「赤毛のアン」など。

その山本さんが、これまでの他者による訳についてされた講義が、
この本の中身であるわけですが、
大変興味深い。
この本を読んでからご紹介しようと思っておりましたが、
いつになったら読めるか分からないので、
メモ代わりに記しておきます。

訳文が日本語として持つ魅力も必要ではありますが、
一冊の書物として作者の狙いを汲み取って、
そのままありありと出す事について、
問題提起しているようです。

この本を読んだ後でも、
あなたは村岡花子さんの訳を、
又再び繰り返し読みますか?
とね。
興味津々な内容で、期待がいや増す。
予約ボタンをポチッと押しておきました。

しかし、今は、本を集中して読めんのですぅ〜
ピーター・ダイヤモンドのシリーズをトボトボ読むのが、
関の山…
池澤夏樹さんの文で破顔一笑
池澤夏樹さんにはいろいろ教えてもらう事多く、
折に触れて、本を開いたり、文章を覗いたりしていますが、
今日ほど笑わされた事は初めてでした。
どうしたって、書いておきたい。

伝説的な作家の代表作である短篇集を、
稀代(きたい)の名手とされる翻訳者が新たに日本語に移した。
こういう本を読む利点は、絶対安心ということだ。
おもしろくなかったら、あなたが悪い。どこか読み違えている

この人なら!と思える翻訳者名で読む本を選んで、
ガックリした覚えは直ぐに思い浮かびません。
あったとしても、あきらめられるものがあるでしょう。
そして、池澤さんのこの書評を読むと、
今というタイミングを活かした翻訳のあるべき姿をまざまざとイメージできる。

日々私たちは、様々な今の言葉に接している。
これがそうだ!というと外れていくような危うさがありますが、
それでも、許容できる範囲で、聞いた時、触れた時、
思わずニヤリとする瞬間がある。
もっともっと、言葉を楽しみたいな、
と思う。

それで言えば、今朝の毎日新聞の評にあった、
「地団駄は島根で踏め」もなかなか面白そう。
今は、到底読めそうにないけれど、
どこかでふと思い立ったら是非に読みたいものです。
文章の旨み
先の記事で
〉読む端から一行一行、一見一句、楽しませて欲しい
と述べましたが、
実は先日、ひょんな事で一冊の本、
一つの文章を思い起こし、
何十年振りかに図書館から借り出し、一読後、
やはり、これはすごい文だ、
とあらためて感じ入ったので、
ここに書き留めておこうと思う。

平凡社から出ている東洋文庫中の一冊、
「長安の春」に収められている巻頭の同名の一文です。
10ページ程の短いものなどで、
図書館に出向かわれた折に覗いては如何でしょう?

漢文と兄弟分である日本語の一つの完成された姿がそこにある、
と思います。
柳絮などという言葉も久方ぶりで、
そういえば、街角に柳の木もあまり見かけなくなったなぁ、
と感じもしました。

読み下し文の良さを活かしつつ、
旧仮名遣いの趣きもある。
惚れ惚れとするばかりです。

若い方には、こういう息の長い文章はつらいかもしれませんが、
こういう文章ならではの情感のある事を知ってもらいたい。
私は、偶々、この本が東洋文庫で刊行されて間がない時に、
青春時代を送っためぐり合わせて知ったのです。

これは、本当に漢文に寄り添った独特の調子がある。
でも、この頃、漢文のこういう調子から距離を置いた、
見事な日本語訳のある事を知りました。

「訳注聯珠詩格」という本で、
昨年岩波文庫で出た柏木如亭によるもの。
ところどころ、
へぇ〜、そういう感じなんだ!
と目からうろこの落ちる思いをさせられる。
これは、早すぎた現代語訳、のような気さえしてくる。
そして、私たちが失っている多くの豊かな語彙を、
見せ付けられて、唖然ともさせられる。


プロフィール

Author:ききみみずきん
職業は、製本工。
司書の講習も受けました。
趣味は、読書と映画と文章を書くこと等など



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